気が向く時しか気が向かない

3次元・2次元の推しの話から日常の話まで

シロさんの炊き込みご飯を作って気づいた電子書籍の利点

先日、ごぼうを買った。
ごぼうは結構好きなのだが一人暮らしを始めてからなんとなく一度も買ったことがなく、引っ越しから約2ヶ月経って初めて購入した。
これまであまり安く売られているところに出会えなかったのだが、スーパーの広告の品として安く売り出されていたので、いっちょ買ってくか、とカゴに入れた。

何かを作ろうという目的があったわけではなく安さに釣られて買ったので、さてどうやって食べようか、無難に手軽に煮物にでもしようか、と考えつつ家路についていた時。
家の冷凍庫に、以前買った鮭を凍らせていることを思い出した。
そうだ、あれを作ってみようか。
最近話題の、シロさんの炊き込みご飯を。


この春、ドラマ『きのう何食べた?』の放送が始まった。
私はかつて週刊モーニングを購読していた時期があるので『きのう何食べた?』の原作を全てではないが読んでいた。
メインキャスト2人のビジュアルが発表された時、なかなかにイメージ通りだと思った。
実際にオンエアで動いて喋っているところを見ると確かにシロさんとケンジで、これは悪くない漫画実写作品になりそうだと感じた。

しかし今話したいのはドラマの感想ではない。
原作の1話に出てくる、鮭とごぼうの炊き込みご飯。
ドラマ1話にも登場し実際に料理が作られていることで、私の見た感じでしかないのだが、Twitterでほんのりと、この炊き込みご飯が話題になっていた気がする。

少なくとも、私がごぼうを買った際に近い記憶として呼び起こされるくらいの印象は残していた。
再現して作ってみたら美味しくて家の定番メニューになったと、いうような話も読んだ覚えがある。
何より、作中でシロさんが作ったのを、ケンジが美味しい美味しいと食べているのだ。
ごぼうに鮭。材料は揃った。
せっかくだし挑戦してみることにした。


先に述べたように私は週刊モーニングを読んでいた頃に本誌連載を読んでいた形なので、『きのう何食べた?』の単行本は持っていなかった。
しかし今回のドラマ化に際して、Kindleで1、2巻が期間限定無料になっていたので、お言葉に甘えてダウンロードさせてもらった。

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その1巻の1話のページを開いて、私は調理に取りかかった。

仕事帰りにごぼうを買って帰宅したら、まず解凍目的で冷凍庫の鮭を冷蔵庫に移した。
それから簡単に夕飯を作って食べ終えた後で、炊き込みご飯作りのスタート。

普段から米を炊く時は夜に研いでタイマーをセットし朝炊けるようにしている(炊けたご飯を弁当箱に詰めて、残りは一食分ずつ冷凍する)ので、この時も明日の朝に炊けるように炊くことに。
1度にたくさん炊いて冷凍しておくと楽なのでいつもは3合炊きの炊飯器でマックス炊いているのだが、今回は炊き込みご飯の具もあるので2合。

米を研いで水を入れたところに、まずは味付け。
始めに昆布を入れるとあるがそんなものはないので省略。
味付けは酒と醤油で薄めに、とシロさんが言っていたのに、適当に読んでいた私は以前作った他の炊き込みご飯のレシピが頭にあったためにみりんと醤油を入れた。
そのレシピは1合につきみりん大さじ1醤油大さじ1というものだったので、調味料の分水を減らすとシロさんが言っていたのには素直に従い、大さじで炊飯器から水をアウト。そこにみりん大さじ2をイン。
したところで、味付けは薄めにとシロさん言ってたな?と思い出す。
塩鮭に味がついてるしそうだよなあ……と思いつつ入れてしまったみりんはどうしようもないので(そもそもみりんではなく酒)(まだそのことに気づかない)、醤油は大さじ1.5程度に減らしてみた。
出だしからだいぶ適当である。

味付けを済ませたら、先程の鮭一切れを投入。
後で骨を除くのが面倒なので炊飯器に入れる前に取り除いたが、半解凍状態なので少々手間取った。
冷凍庫には鮭が2切れあり、鮭は1合につき1切れとシロさんは言っていたが、ケチって2合に1切れ。
味付けに始まりどんどん自己流アレンジが進む。

そこへ笹掻きのごぼうを投入。
炊飯器に向かって直接笹掻いていく。
ごぼうのアクは旨味の素だから水にさらさないのだとか)
ゴボウの笹掻きなんて久しぶりにやったが、それっぽく出来たのでよかった。

そして、その上にまいたけをほぐして入れろとシロさんは言う。
鮭とごぼうがあるから、鮭とごぼうの炊き込みご飯出来る!と思っていたので、まいたけなんて買っていない。
ので、家にあった乾燥しいたけを投入。
タイマーで米が炊かれ始める朝には炊飯器の水がしいたけの戻し汁になっているだろうから、なんかいいんじゃないだろうか、と。
まいたけはないけれどしめじは結構好きで使い勝手もよいのでよく買っていて、この日も冷蔵庫にあったのでしめじも投入。
まいたけの代わりに、しいたけとしめじ。
きのこだし。いいんじゃないか。アレンジアレンジ。
ここまでで夜のうちの作業は終了。
蓋をして、タイマーをセットした。


翌朝目覚めると、ご飯の炊けるいい匂い。
炊飯器の蓋を開けると美味しそうなご飯がお目見え。
鮭にもしっかり火が通っているようだった。
シロさんは炊飯器から一度鮭を取り出してほぐして戻すと言っていたが、シロさんほどマメではない私はそんな面倒なことはしない。
洗う皿を増やさない為にも、炊飯器の中のご飯を返しがてら鮭をほぐしていく。
しゃもじで皮も断ち切れたし、特に問題はなかった。
なんならこれを見越して、炊く前に骨を取り除いておいたのだ。
わざわざ取り出してほぐす気など、最初からなかった。

レシピ通りに最後にいりごまも投入。
一人暮らしを始めたばかりの頃に色々な調味料と共に買ったはいいがこれまで1度も使ったことがなかったいりごまが、ようやく日の目を見ることになった。
ごまを使うチャンス!とここぞとばかりにたっぷり入れて、炊き込みご飯が完成した。


いつもは朝炊けたご飯はお弁当に詰める分以外は冷凍してしまい朝食にはパンを食べているのだが、この日ばかりはせっかくだからと炊きたてのご飯を朝ごはんにした。
シロさんの薄めの味付けとのコメントを見事にスルーしてしまった為に味はしっかりついてて、しかし濃すぎるということもなく、とても美味しかった。

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シロさんのレシピはみりんと醤油ではなく酒と醤油だったことに気がついたのは、この記事を書こうとしてKindleで改めて1話を開いた時だった。
美味しく出来たと満足して食べていたが、根本的に味付けが違った。
もはやシロさんの炊き込みご飯ではなくなっていたが、美味しければ問題ない。
(でも今度ちゃんと酒と醤油のレシピでも作ってみよう……薄めの味付けで)


そしてこの記事を書こうと思ったのは、今回Kindleで『きのう何食べた?』の単行本を開きながら調理をしていたことについて、後からあることに気づいたからだ。
何気なくKindleを開いてページをめくりつつ調理していたが、これが紙の単行本だったとしたらちょっと面倒だったなと思ったのだ。

例えばこれがレシピ本なら、きっと紙でもいいのだ。
現にドラマ化に際して『きのう何食べた?』のレシピ本も発売されている。

公式ガイド&レシピ きのう何食べた? ~シロさんの簡単レシピ~

公式ガイド&レシピ きのう何食べた? ~シロさんの簡単レシピ~


このレシピ本については現物を見ていないのでわからないが、レシピ本というものはひとつの料理を作る間に何度も何度もページをめくらせるようなことはせず、料理の完成までを見開きに納めているものが多いと思う。

しかし、『きのう何食べた?』の単行本はあくまでレシピ本ではないストーリー漫画であり、シロさんが料理をしているシーンのモノローグの吹き出しを私がレシピ代わりに参照しただけだ。

作中でシロさんは炊き込みご飯を作り始めて炊飯器のボタンを押した後、他のおかずを作り、ご飯が炊けたところで炊き込みご飯の仕上げに取りかかっている。
シロさんが炊き込みご飯を作り始めるのは、紙の単行本では左側のページ。
めくった右ページでは他のおかずを作り、そのページの最後のコマから次の左ページに炊き込みご飯の仕上げが続く。

それを私は、何も考えずにKindleを立ち上げてスワイプでページをめくりながら調理していた。
レシピサイトなどをスクロールして見ながら調理するのと同じような感覚だった。
スマホの画面を触るのなら、多少手が濡れていようと気にならない。
紙の単行本だったら、こうはいかない。


以前別の記事に、電子書籍の話を書いたことがある。

mmr-ns.hatenablog.com

その中で私は場所を取らないことや試し読みの自由さを電子書籍のメリットとしてあげたが、調理中に見るのに便利というメリットには全く気づいていなかった。
実際に調理をして見たから気づけたことだ。

グルメ漫画の類いをレシピ代わりに参照するなら、紙の単行本より電子書籍だと声を大にして言いたい。
紙の本が好きで紙の本を大事に扱う人ならなおさらだ。
調理中に気軽にページがめくれることは、電子書籍の大きなメリットだ。

美味しい炊き込みご飯を作れたことについても、電子書籍の思わぬメリットに気づけたことについても、シロさんに、ひいては『きのう何食べた?』の作者よしながふみ先生に感謝したい。
この先続刊を買い足すなら、またレシピを参照するような作品を買うなら、 迷わず電子書籍にしようと思う。